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親会社・旭テックの団交拒否は不当労働行為

kage

2009/08/10 (Mon)

――勝利的決定かちとる!――

■三重県労働委員会が画期的な命令書を交付
三重県の個人加盟制労働組合ユニオンみえに加盟する
大川徳雄さんが会社を解雇されたのは、
買収ファンド・RHJインターナショナル(旧リップルウッド)傘下の
親会社・旭テック株式会社(代表執行役社長:入交昭一郎)の
決定によるとの判断から、
親会社・旭テックにたいし団交を申し入れたにもかかわらず、
旭テックがこれに応じなかったため、
労組が不当労働行為救済申立を行なっていた事件で、
三重県労働委員会は8月7日、
旭テックがユニオンみえとの団体交渉に応じなかったことが
不当労働行為にあたるとする命令書を交付した。

■旭テックに牛耳られていた豊栄工業
命令書によると旭テックは、
ユニオンみえから2007年11月27日付文書で申し入れられた
同年12月4日の団体交渉申し入れに対し、
12月4日までに返答をせず、
これを拒絶した。
旭テックはこの理由について、
同年12月28日付「警告書」の中で、
「大川解雇問題に関して
 団体交渉に応じる立場にない」ことを
挙げていた。

旭テックは当時、
大川さんの勤務していた
豊栄工業(代表取締役社長:長田幸久)の株式を
50パーセント以上保有していた。
豊栄工業の代表取締役社長である長田幸久氏自身が
旭テックの出身者であっただけでなく、
他の取締役も1人は旭テックの執行役で、
もうひとりは旭テックの従業員だった。
さらに豊栄工業の監査役まで、
旭テックの経理部長が兼ねていたのである。

豊栄工業の重要な政策決定や変更、
役員人事や組織に関する事項、
さらには重要な設備投資についてまでが、
旭テックの決裁事項とされていた。
各事業担当部長の交代までもが、
旭テックが指示していたと
命令書では認定されている。
豊栄工業の経営および業務運営は、
旭テックに支配・決定されていたのである。

■株主の質問に「株主」が回答!
そのことを表す
象徴的なエピソードがある。
2004年6月に開催された、
豊栄工業の株主総会での出来事だ。

この場において大川さんは、
持ち株社員として豊栄工業の経営陣に対して
質問をした。
すると、
経営陣の誰一人として
その質問に答えることができず、
何と株主席に座っていた
旭テックの吉田隆夫常務(当時)が、
豊栄工業の経営方針について
説明を行なったのである。
三重県労働委員会は吉田常務の行動を、
「一株主としての発言の範囲を
 逸脱したもの」と厳しく指摘している。

■解雇は旭テックの承認のもと行なわれた
旭テックは大川さんの解雇直前、
当時の社長である佐々木久臣氏が
突然大川さんの会社に出向き、
わざわざ大川さんと面談までしたという事実が
残されている。
にもかかわらず旭テックは、
大川さんの解雇は豊栄工業が
自ら判断したものだと強弁してきた。
しかし、
豊栄工業は2005年8月に開催された
ユニオンみえとの団体交渉において、
長田幸久社長自身が
「大川の問題というのは、
 親会社である旭テックと
 相談しております」、
「権限があるかないかということなしに、
 やはり親会社と相談しなければ
 いけないことだと認識しております」、
「当然資本関係が
 旭テックが58%強持ってますので、
 親会社に対して
 重要な相談事項に関して相談するのは
 当然でありまして、
 この件に関しても相談しております」、
「これは決定したということ自身、
 それなりの重みがあるといいますか、
 軽率にできる決定ではないわけです。
 それでもって、
 親会社と相談して
 我々として決定しております」
などと発言しているのである。

さらに豊栄工業の長田社長は、
ユニオンみえの要求した
大川さんの解雇撤回についても、
親会社に相談しなければ
撤回はできない旨の回答をしている。

以上の事実に照らし、
三重県労働委員会は、
「したがって、
 豊栄工業が大川を解雇するにあたっては、
 会社(労組注:=旭テック)の具体的な
 指示ないし承認があったと
 解するのが相当である」と
結論づけた。

豊栄工業の長田社長は、
ユニオンみえとの団交で述べた上記発言について、
労働委員会での審理では一転、
「解雇撤回要求に対する回答を
 先延ばしにしたいという思いから
 発言したものであって
 事実ではない」などと言い出したのであるが、
そのような見え透いたウソが
どこの世界で通用するというのだろうか。

命令書は、
「(労組注:豊栄工業の)長田社長は、
 大川問題について
 会社(労組注:=旭テック)の決裁を
 一切受けずに独自に判断したことを
 説明しようとして、
 無理な証言をしたものというべきである」
と、豊栄工業の長田社長の証言を
一蹴している。

■「旭テックの団交拒否は違法」と認定
「会社(労組注:=旭テック)は、
 日頃から、
 豊栄工業の経営、業務について、
 具体的に支配、決定する地位に
 あったところ、
 大川の解雇問題については、
 豊栄工業が解雇するにあたって、
 直接会社の代表執行役社長が
 大川本人と面談し、
 解雇を指示ないし承認したものであり、
 解雇後も会社の指示ないし承認がなければ
 解雇を撤回することが
 できなかったと解される。

 したがって、
 会社(労組注:=旭テック)は、
 少なくとも大川の解雇問題については、
 雇用主と同視できる程度に
 現実的かつ具体的に
 支配、決定することが
 できる地位にあったといえ、
 ……同問題に関しては、
 会社(労組注:=旭テック)は
 労組法第7条の「使用者」であったと
 解すべきである。

 よって、組合が、
 (労組注:平成)19年11月27日付けで
 申し入れた
 大川の解雇問題に関する団体交渉を、
 会社が大川の使用者でないことを理由に
 拒否した行為は、
 労組法第7条第2号に規定する
 不当労働行為に該当する」。
これが、
三重県労働委員会の命令書の
結論である。

ユニオンみえの広岡法浄書記長は、
「会社からのポストノーティス(謝罪文交付)が
 認められなかったなど、
 不満な点も残っているが、
 親会社の団体交渉義務を認めた点は
 大きい。
 長年経営者寄りの判断を下す傾向にあった
 三重県労働委員会で
 このような決定が出たことは画期的だ。
 今後、豊栄工業に限らず、
 子会社を実質的に支配する親会社に
 どんどん団交を申し入れていきたい。
 本命令はそのための大きな武器になる。
 他の労組も大いに活用してほしい」
と語った。


労働組合:ユニオンみえ(三重一般労働組合)
三重県の個人加盟制労働組合。
連合単産全国ユニオン加盟。
コミュニティユニオン東海ネットワーク、
コミュニティユニオン全国ネットワーク加盟。
1958年結成。
住所:〒514-0003
     三重県津市桜橋3丁目444
電話番号:059−225−4088
FAX:059−225−4402
ホームページ:『ユニオン みえ』
http://homepage3.nifty.com/union-mie/
電子メール:QYY02435@nifty.ne.jp
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