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三重:パナソニック電工直接雇用闘争

kage

2009/06/17 (Wed)

――市場に流通しても「試作品」? 会社が後付けの論理――

■パナソニック電工系派遣会社と3回目の交渉
パナソニック(旧松下)電工津工場で
4年間にわたって同一部署で、
電子部品のコネクターの検査に従事してきた
派遣社員・裏川公康さん(28歳)が
個人加盟制労働組合に加盟して
直接雇用を求めている問題で、
6月15日、
派遣会社・アロービジネスメイツ(略称:ABM)との
3回目の団体交渉が行なわれた。
同社はパナソニック電工の
100%子会社である。

前回までの団体交渉で、
裏川さんが2005年2月の入社以来
同一部署で働いてきたこと、
一貫して電子部品のコネクタの検査に
従事してきたことが明らかにされた。
労働者派遣法では本来、
3年以上同一部署で
同一作業に派遣社員を従事させる場合、
派遣先はその派遣社員を
直接雇用しなければならないことになっている
(労働者派遣法第40条)。

ところがパナソニック電工は、
この直接雇用義務が発生しない
専門26業務の1つである
「調査」業務の従事者として
当初裏川さんを受け入れた。
しかしその後、
これが「実態に合っていなかった」ため、
05年4月1日から、
これまた専門26業務の1つである
「研究開発」に変更。
直接雇用義務が発生する
「自由化業務」(専門26業務でない業務)として
裏川さんと契約したのは
06年4月1日からであり、
裏川さんが「雇い止め」された
09年2月28日の時点では、
自由化業務となってからは
まだ3年が経っていなかったと主張した。

同じ仕事をしているのに、
なぜ06年3月31日までは
専門業務の「研究開発」であり、
06年4月1日以降は一般業務と言えるのか。

会社側の主張は、
裏川さんが(「調査」という名目で)
入社した当初は
主に試作品の検査をやったので
「研究開発」だったが、
徐々に量産品の比率が高くなってきたため
2006年4月1日以降は
「研究開発」ではなくなった、
というものだった。

それに対して
裏川さんの加盟する労働組合
「ユニオンみえ」(「連合」単位産別・全国ユニオン加盟)は、
裏川さんの証言に基づき、
06年3月31日以前も
裏川さんが量産品の製作に従事していたこと、
そもそも
「専門的な知識、技術又は
 経験を必要とする業務でないものを
 専ら行うもの」は
専門業務である「研究開発」にはあたらないと、
厚生労働省の
「労働者派遣事業関係業務取扱要領」にも
書いてあることを指摘して、
今回の団体交渉を迎えた。

■市場に出ているのも「試作品」!?
今回の団体交渉の中で会社側は、
「研究開発」とされた時代に
裏川さんが検査したコネクタが
市場に出ていたことを明確に認めた。
市場に出る(売り物になる)製品の検査を
していたのであれば、
もはや「試作品の製作」を
行なっていたとは言えず、
「研究開発」業務に従事していたとは
言えないはずだ。

ところが会社側は、
市場に出る「量産品を作り始める」段階も
「試作品の製作」段階に含まれると
主張し始めた。
「初期流動」段階は、
設計変更の可能性があったり、
量産体制であっても
不良品の出る可能性が高く、
より厳重なチェックが必要となるからだという。
直接雇用義務が生じる
自由化業務の対象となるのは、
その後の「安定本格量産」段階に入ってからだと
会社側は主張した。

そんな無茶苦茶な話があるだろうか。
製造ラインに従事した人ならわかるはずだが、
現場では不良品が出る度に
常に「カイゼン」が行なわれている。
「設計の変更」があり
不良品が出る可能性が高い間は
「試作品の製作」であると強弁すれば、
いつまで経っても
直接雇用義務は発生しないことになる。

だいたい、
「初期流動」段階なんて言葉は、
今回突如登場した概念である。
「初期流動」段階と「安定本格量産」段階とが、
どこで区別されるのかもさっぱり明確でない。

というか、この理屈では、
パナソニック電工は「初期流動」段階では、
消費者に「試作品」を
売りつけていたことになる。
松下(パナソニック)綱領にいう
「産業人たるの本分」に恥じないのだろうか。
松下幸之助の「公明正大の精神」は
一体どこに行ったのか〔注1〕。
それでも松下(パナソニック)グループの
中核企業と胸を張って言えるのだろうか。
それとも、
これが松下のやり方なのか。
手口があまりにもみみっちい。
〔注1〕パナソニック(松下)電工創設者の
松下幸之助は、
自社社員の遵奉すべき精神として
「公明正大の精神」を掲げ、
「公明正大は
 人間処世の大本(たいほん)にして
 如何に学識才能を有するも
 此の精神なきものは
 以て範とするに足らず」と明言している。


裏川さんは、
「『初期流動』と『安定本格量産』の
 区切りなんていうものは、
 現場では何もない」と職場の実態を話す。

「06年4月以前とそれ以降で
 変わったことも特にない。
 それ以前も以後も、
 品番ごとに30台ほどプレスが動いているが、
 その中の1台ぐらいが
 新製品の試作を行なっていたりしているのが
 常だった。
 通常検査は1日に60品くらいしていたが、
 その中のごく少数(6品ぐらい)が
 変更品だったり試作品だったりするだけで、
 いつも圧倒的な品目は量産品だった」という。

そもそも、
百歩譲って「試作品の製作」に
主に携わっていたのだとしても、
「専門的な知識、技術又は経験を
 必要とする業務でないものを専ら行うもの」は
専門業務である「研究開発」には
あたらないことは前述したとおりだ。
「ユニオンみえ」は交渉の中で、
裏川さんが06年3月31日まで
専門業務に従事していたというのであれば、
それに見合う賃金を払っていたのか、
4月1日以降は賃金が下がったのかと追及したが、
無論そのような事実はなかった。
所詮「後付けの理屈」にすぎないのである。

裏川さんを支援する「ユニオンみえ」の
広岡法浄書記長は、
「そもそも、
 松下電工が直接雇用した社員に
 従事させるべき業務を、
 自ら作った子会社に雇わせて
 派遣するという行為を
 製造業に派遣が認められる以前から
 行ってきたことが問題だ。
 派遣が3年以上になれば、
 直接雇用すべき所を
 今度は請負職場にするという。
 しかも、
 ABMにはプロパーがいないために
 パナソニック電工から出向させて
 指揮命令させるという。
 直接雇用を原則にした職安法に
 もう一度 骨を入れ、
 かつ派遣法にも厳罰を入れた
 抜本改正が必要だ」と訴えている。


【参考記事】
パナソニック電工、津工場でも違法派遣
三重:パナソニック電工で直接雇用闘争!


労働組合:ユニオンみえ(三重一般労働組合)
三重県の個人加盟制労働組合。
連合単産全国ユニオン加盟。
コミュニティユニオン東海ネットワーク、
コミュニティユニオン全国ネットワーク加盟。
1958年結成。
住所:〒514-0003
     三重県津市桜橋3丁目444
電話番号:059−225−4088
FAX:059−225−4402
ホームページ:『ユニオン みえ』
http://homepage3.nifty.com/union-mie/
電子メール:QYY02435@nifty.ne.jp
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