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名地裁:オンセンド店長のセクハラ認定(1)

kage

2009/04/21 (Tue)

――会社に60万円の賠償命じる――

■中根久雄店長のセクハラ行為の数々
衣料品安売りのオンセンド四日市店
元「フルタイムパート」従業員・Hさんが、
当時の四日市店長・中根久雄氏から
セクハラなどのいやがらせを受け、
精神的苦痛を被ったとして
慰謝料などを求めていた裁判で、
名古屋地方裁判所は4月14日、
オンセンド店長のセクハラを認定し、
会社に対してHさんに60万円の支払いを
命じる判決を言い渡した。

判決によると中根久雄氏は
2001年3月ごろ、
オンセンド四日市店の店長として赴任。
それ以降、
2003年4月ごろまでの間にHさんに対して、
「このエプロン,裸でしたら,いいやろうな」
などと話しかけたり、
Hさんの二の腕を下から上になぞるように指で触ったり、
着衣の前ファスナーの胸元を引っ張ったり、
Hさんの目の前で、
服を着ていないマネキンの胸を
ニヤニヤしながら触ったり、
Hさんの脇腹を指差しながら、
「手やここ(労組注:=Hさんの脇腹)を
 触りたくなってくる」と告げたり、
「お客さんがマジックパンツのここのところが・・・」
といいながらHさんの尻を触ってきたり、
「昨日やったんか」ないしは
「ゆうべがんばったかな」などと
性交渉を連想させる言葉を言ったりするなど、
セクハラ行為を行なったという。

■一度はセクハラを認め謝罪した中根店長
Hさんはこのようなセクハラを受けて
職場に不満を持っていたことなどから、
2003年4月16日、
オンセンド本社の山田俊介人事部長に
「店長からセクハラを受けました」と
相談した。

オンセンドの山田俊介人事部長は、
中根久雄四日市店長から事実確認の後、
Hさんを呼び、
Hさんの目の前で中根店長に対して
セクハラの具体的行為を記載したメモを示し、
「これは軽犯罪ですよ。
 だんなが知ったら,
 殴られますよ」と叱り、
中根店長はHさんに謝罪した。
また中根店長は始末書を作成・提出し、
Hさんにこれが示された。
そして2003年4月17日の朝礼において、
中根久雄四日市店長はパート従業員らの前で、
セクハラ行為について謝罪したのである。

■Hさん、ユニオン加盟を決断
その後は中根店長のセクハラはなくなり、
Hさんもセクハラの件は解決したと思っていた。
ところが、翌月5月中旬ごろ、
Hさんは同僚から、
中根店長が
「Hさんが男に貢いでいる」との噂を流していると聞き、
これはセクハラ行為を告発したことに対する
報復に違いないと思って友人に相談、
三重県の個人加盟制労働組合・ユニオンみえに加盟した。

ユニオンみえは、
1.賃金・一時金などの労働条件について
2.店長がセクハラを働き、
  人事部長に改善を求めた後、
  報復的対応を受けている件
3.有給休暇が取得できない件
4.残業割増が支払われていない件

の4点を交渉事項として団体交渉の申し入れを
行なった。

■人事部長、不当労働行為を連発
するとオンセンド本社の山田俊介人事部長は
6月17日、
Hさんをオンセンド四日市店近くの
喫茶店「コメダ」に呼び出し、
賃金については、
「最低基準はクリアしているから,
 不当なんて言われることはない」と居直った上、
「この会社の給料で納得がいかないのなら,
 他で働けばいい」とか、
ユニオンみえの通告書を指さして、
「ここ(労組注:ユニオンみえ)で働けばいいじゃない。
 ここで働いて
 給料は出ないでしょ」などと、
職場の労働条件の向上を求めるHさんや労組の
ごく当然の要求に対して
とことん筋違いなことを言い立てた。

そして、
「よってたかって大勢で
 ワァワァ行ってくる奴等と,
 話なんてする気はない」と言い放ち、
ユニオンみえからの通告書を
テーブルの上に投げ出したのである。

また、
中根店長のセクハラ行為に関しても、
「セクハラのことで
 大の男が頭を下げて,
 首を覚悟で始末書を書いた」などと発言。
さらにHさんが店長による査定で
高い評価を得ていたことを挙げて、
「あなたは,
 周りの人に感謝の気持ちを忘れている。
 ……あなたは感謝の気持ちを忘れちゃダメだよ」
などと恩着せがましく説教をはじめ、
あたかもセクハラを訴え出た労働者の側が
「感謝の気持ち」に欠けているかのような
無神経な発言を繰り返し、
会社を巻き込んだり、
会社を甘く見ないようにという趣旨の発言を
行なった。

■部長「両親・旦那を交えて話をしよう」
しかし、
山田俊介人事部長の不当労働行為は
これだけでは終わらなかった。
翌18日にも山田人事部長は
オンセンド四日市店で勤務中のHさんに電話をかけ、
「昨日あれだけ話をしたのに,
 何故分からないんだ,
 ご両親,旦那さんを交えて話をしよう」などと言いだした。
上司からの「セクハラ」を訴え出たことに端を発する労使対立に
家族まで巻き込むことを示唆して、
ユニオンみえから離脱するよう精神的圧力を加える
きわめて陰険なやり方だ。
「組合と話をして下さい」と答えたHさんに、
本社部長はさらに追い打ちをかけるように、
「組合,組合って…
 あなたはこの会社の人間でしょう,
 直接話もできないんですか」などと言い出したのだ。

オンセンドの対応には、
労働者の団結権に関する基本的な理解が
根本的に欠如している。
そもそも、
経済的にも社会的にも圧倒的な劣位に置かれている
一介のパート従業員が、
巨大な会社組織に対して「直接話」をして
自らの労働条件を対等な立場で交渉することなど
どだい無理な話なのである。
立場の弱い非正規労働者が自らの雇用をまもり、
使用者側と対等な交渉を行なうためには、
労働者自身が使用者側と対抗できる力量を
職場の内外で確立すること、
すなわち、
団結権・団体交渉権・団体行動権を持つ労働組合を組織し、
職場内外の仲間とともに使用者側と対峙し、
相手と対等な交渉力を築いた上で
成果を勝ち取る以外にはない。
だからこそ、組織労働者の労働条件は
会社と労組の交渉で決めねばならず、
個人との個別取引は許されないのだ。
Hさんが
そうした問題については労働組合と話をしてほしいと言ったのは
実に当然の対応である。
むしろ、
「よってたかって大勢で
 ワァワァ行ってくる奴等と,
 話なんてする気はない」などという
山田俊介人事部長の発言こそ、
きわめて破廉恥な不当労働行為に他ならない。

「名地裁:オンセンド店長のセクハラ認定(2)」へ進む→


【参考記事】
東京地裁:オンセンドの不当労働行為を認定
オンセンド、不当労認定の命令が最高裁で確定
オンセンド、謝罪から半月でまたも居直り
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