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~最近のユニオンのたたかいから~ シャープ・SPUの闘い

kage

2016/05/09 (Mon)

 ▼  ジーエル に 仮処分命令 

 派遣会社ジーエルは昨年8月、シャープで働く50人のフィリピン人労働者を解雇してきました。39名が組合員で、そのうち37人が解雇撤回を求めて闘いを続けてきました。37人の組合員は本訴での闘いを準備し、そのうちの3人が代表して昨年10月27日、津地裁に仮処分裁判を申立てました。

 この仮処分裁判の決定がさる3月14日に出ました。津地裁はジーエルが行った解雇を無効と断定し、解雇された労働者の地位を認め、3月分からの賃金の支払いを命じる決定でした。

 解雇された労働者は、1ヶ月や6ヶ月の契約更新で働く有期雇用の弱い立場の労働者でしたが、組合の主張を全面的に認めた組合勝利決定でした。近年、裁判所は地位保全仮処分裁判において、労働者側勝利の命令でも労働者の地位までは認めず、1年とかの期間を限定し8割程度の仮払い賃金の支払いを命じるのが関の山という、労働者にとって厳しい決定が続いています。その中にあって、労働者の地位を認めた上で、賃金の支払いを一審判決日まで月々、減額なしで認めた組合勝利の画期的な決定でした。ただ一つ、解雇された時点に遡っての賃金支払命令とはなりませんでした。
 裁判所はジーエルの解雇しないと経営が成り立たないという主張に対し、「解雇しなければ倒産が避けられないといった高度の必要性まで認められない。」として、解雇の必要性について認めない判断を行いました。
 さらに、会社が解雇回避努力のために行ったとする30万円での希望退職募集は、「非正規雇用とはいえ長期間にわたり反復継続して就労してきた従業員に対して十分ではない。」とし、亀山への配転・出向させることで解雇回避が可能であったとする組合側の主張を認め、亀山に配転・出向も実行しなかったことから、「解雇回避努力を尽くしたとは言えない。」と判断しました。

 また、人選について「合理性も無い。」として、「手続きの相当性を検討するまでもなく、本件解雇は無効である。」と断定しました。組合が主張した組合つぶしを目的にした支配介入の人選であったとの主張については「手続きの相当性を検討するまでもなく」として、判断を避けられたのは少し残念でした。

 解雇された労働者のほとんどが契約期間中の解雇でしたが、解雇として無効との判断とともに、解雇通告が雇止め通告の内容も含まれているという前提で、雇い止め通告も無効との判断でした。期間満了時に更新を期待する合理的な理由があると認められての判断でした。
 
 司法の反動化が進行し、正社員の解雇に対しても地位保全決定が出ないケースが多く、さらに、賃金の仮払いにおいても1年とかの期間が限定されるケースが多い中、非正規雇用労働者の権利を認めた画期的な決定でした。

 この画期的な勝利決定を梃子に、組合は4月14日、ジーエルに加えミエテックの両社を相手に解雇された37人の地位保全、賃金支払を求める本訴を津地裁に起しました。訴額は1億7655万円になりました。
 組合は裁判に並行し、ジーエルに対し、仮処分決定を真摯に受け止め解雇が組合の弱体化を狙った違法な解雇であることを認め、組合員および組合に謝罪し、解雇したすべての組合員の解雇を撤回し仕事にもどすよう、求めています。
さらに、労働委員会に対し、団交拒否問題に加え、指名解雇・協定破棄・組合費チェックオフ拒否全てが不当労働行為として救済申し立てを行い、委員調査が進行しています。

 シャープが台湾資本・ホンハイ精密工業に買収された新たな事態を踏まえ、資本も多国籍・労働者も多国籍化しているシャープも巻き込んでの解決をはかっていきたいと思います。


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<Don2 59号より>
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