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病院の不当労働行為に救済命令

kage

2016/05/09 (Mon)

 3月11日、三重県労働委員会にて、鈴鹿さくら病院不当労働行為救済申立事件の最終意見陳述が行われた。

 組合は、病院が溝口事務長をはじめとする6名の非組合員に対し、一人平均毎月30万円の増額支給がされていたことを詳細に立証し、そのことで組合の賃上げ要求や他の改善要求を「金がない」と拒む根拠にしてきたこと、非組合員に組合に入らないように工作してきたことを明確にした。組合員に対する賃金差別に他ならないことを明らかにした。
 さらに、T組合員の証言により、川村院長が「話せる組合を作ったらどうか」と第二組合の設立を勧奨したことは明白であり、組合運営に対する支配介入であることを論証した。
 
 そして、既に最高裁判所の上告棄却決定で確定していることだが、組合の正当な権利であるストライキの実施を妨害するために、病院が津地裁にストライキ禁止の仮処分申立を行ったこと自体が不当労働行為であることを立証した。

 4月14日、三重県労働委員会は、鈴鹿さくら病院不当労働行為救済申立事件に対する「命令書」を交付した。その主文は、以下の通りである。

1 被申立人川村意市が、 平成24年8月20日、 被申立人川村憲一を債権者とし、申立人及び申立人の鈴鹿さくら病院分会を債務者として争議行為禁止の仮処分を津地方裁判所に申し立てたことが、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であることを確認する。
2 被申立人医療法人鈴桜会は、本命令書受領の日から-7日以内に、下記内容の文書を申立人に交付するとともに、縦90センチメートル×横60センチメートルの白紙に楷書で明瞭に記載し、被申立入医療法人鈴桜会が経営する鈴鹿さくら病院内の従業員の見やすい場所に、10日間掲示しなければならない。

さくら
(注:年月日は文書を交付又は掲示した日を記載すること。)

3 被申立人らが、非組合員6名に対し、年俸制及び給与規程に基づかない賃金の増額支給等を行ったことに係る申立てを却下する。
4 申立人のその余の申立てを棄却する。

 労働委員会は、最終意見陳述から4ヶ月以内に決定を出すことになっており、1ヶ月余の短期間で出された命令は、不当きわまりないものであった。
 
 スト禁止仮処分申立が憲法違反であることは、病院側の上告が最高裁で棄却されたように明らかであり、労働委員会も認めざるを得なかったが、命令書は「今後このような行為を繰り返さないように留意します」とするのみで、組合に対する謝罪すら命令せず、今後は注意しますレベルで済ましている。
 
 賃金差別については、不正な賃金支出の事実関係をすべて組合の主張通り認定した上で、救済申立の除斥期間(時効)を理由に「判断しない」として、訴えを却下しているが、除斥期間成立の立証義務は病院側にあるが、労働委員会は、診査期間を通じて一度も除斥期間を争点とせず、その立証義務を病院側に課すこともなかったにもかかわらず、何の根拠も示さず、除斥期間1年を過ぎて申立が行われたと断定している。団交や労使協議会の録音を反訳した議事録の存在により、除斥期間が成立していないことを組合が立証することは十分可能であった。
 
 T組合員に対する第二組合設立勧奨についても、その事実を認定した上で、第二組合設立や組合員減少などの実害がないとして却下している。

 このような命令書を容認することは出来ず、今後、弁護団と相談の上、職場闘争を基礎にして、病院の責任を追及して行く予定である。



<Don2 59号より>




 
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