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光洋熱処理・三重労働局へ虚偽の改善報告 井原部長・証人尋問でこれを認める発言

kage

2011/09/10 (Sat)

光洋熱処理・三重労働局へ虚偽の改善報告 井原部長・証人尋問でこれを認める発言
原告4名が虚偽報告の是正を求め三重労働局へ是正申告



・ユニオンみえと原告ら、是正申告書を提出

・ユニオンみえと原告ら、是正申告書を提出

トヨタグループ・ジェイテクトの子会社・光洋熱処理が「労働者派遣」を装って労働者の供給を受け入れ、職業安定法44条に違反したと三重労働局から認定され、違法に働かされた労働者らから直接雇用を求められている事件で、三重県労働委員会で7月7日に、津地方裁判所で9月2日にそれぞれ証人尋問が行われたが、この中で、光洋熱処理本社・常務取締役管理部長の井原順一氏が、三重労働局に対し虚偽の報告を行っていたことが証言で明らかになった。
これを受けて、ユニオンみえと光洋熱処理ユニットに所属する原告らは9月2日、三重労働局・需給調整事業室に対し、

・労働者派遣法50条の報告について、虚偽報告を行った事による第61条の4、及び62条の罰則規定の適用
・職業安定法第50条の報告について、虚偽報告を行った事による第66条第8項、及び67条の罰則規定の適用
・上記虚偽報告は悪質であるから、速やかに罰則の適用を行うこと、職業安定法44条違反については、告発・送検の手続きを行うよう求める

この3つを申告の趣旨とした是正申告書を三重労働局に提出、同日付で受理さ
れた。

・光洋熱処理・井原常務のいい加減さが証言で明らかに

7月7日に三重県労働委員会で行われた第2回証人尋問の中で、井原順一常務
取締役管理部長は、申立人代理人である村田浩治弁護士(堺総合法律事務所)
との尋問のやり取りの中で、このように答えている。
(三重県労働委員会:光洋熱処理事件・第2回審問調書より抜粋、原文ママ)

村田:あなたの理解だと、人員を増やそうと思ったら3年の範囲で抵触日の設定をして増やして、その後、要らなくなったら切ればいいという、そういう事ですか。派遣自体を打ち切ればいいと。
井原:はい。そういう契約でしたので、そういう理解です。

(中略)

村田:あなたは派遣の責任者なんでしょう。派遣の受入期間は原則1年ですね。

井原:原則1年ですけど、3年まで認められるというふうに派遣会社の人からも聞いておりましたので。

村田:3年まで認められる要件は何ですか。

井原:知りません、ちょっと。

村田:「派遣先の労働者の過半数を代表する者に対する通知」が要りますね。期間を3年に延ばすにあたっては。ご存知ですか。

井原:理解しておりません。

村田:していない。そすと通知してないんですか、この業務については。3年を超えない範囲で期間を設定するにあたっては、意見聴取の手続きがございますね、そういう意見を聞く手続き。それはしていないということでいいですか。

井原:はい、私はしていません。

ここまでの証言でもわかるとおり、適正な抵触日の伸張手続きをしないまま派
遣労働者を受け入れていたことが明らかになりました。さらに、「労働者派遣法
第40条の2第1項」の報告について、こう証言した。

村田:先程貴方は主尋問ではね、これも主尋問なんだけども、会社側の尋問では、元々先に抵触日については改善をしたと。同じことを言われたんだという風に答えられましたね。この指導書というのは、前にも指導を受けた内容をまた受けただけなんだというふうに証言されませんでしたか。

井原:はい、そういう認識です。

村田:でも、指摘されている条項は全然違う条項でしょ、法文の。今申し上げたように、派遣受入可能期間の制限違反だと指摘されとるんですよ。ここでは。そういう認識全然ないんですか。

井原:はい、それで細分化されすぎてるんで統一するようにというような認識ですよ。

村田:でも、ここに書いてあるのは、「抵触日の通知がされていない」というふうに書かれてるんですよ。

井原:でも、この方(筆者注:当時の三重労働局・需給調整事業室の内田室長)は、抵触日通知も見ておられませんし、そういうことの質問も一切なくてこういう条文書いてますんで、私は前回のことをそのまま書いておるんだろうという認識です。

三重労働局が、調査した上で、是正指導を発したにもかかわらず、まるで労働
局がまともに調査せずに指導した、とも取れる発言。なんとも見苦しい発言だ
った。これが日本の大企業「トヨタグループ」ジェイテクトの子会社が言う事
かと思うと、ぞっとする。あきれる発言はさらに続く。

村田:あなたは、40条の2第1項ってなんだろうていうふうにそのとき思わなかったんですか。

井原:見たとは思うんですけども、そういうふうな解釈で改善の報告書を書いていますので、そういう認識です。

村田:乙27号証の2枚目の、その当該部分(2009年8月5日に三重労働局に提出した、職安法違反等の改善報告書)を示しますけども、これ、あなたが作成された報告書ですかね。

井原:はい、そうです。

村田:「抵触日通知を再度確認致しました。」と。「過去に十分ではありませんでした・・・通知は・・・22年5月11日で統一して、是正を済ませております。」こう書いてありますね。抵触日の通知がなかったという指導に対して、充分ではありませんでしたが統一したのでは回答になってないように思うんだけれども、これについてあなたは、40条の2の第1項違反の是正として十分だというふうにお考えなんですか、これで。

井原:私はそういう認識です。

「同じ指導だから、これでいいだろう」と、条文の内容も確認せず、独断で三
重労働局に報告したのである。指導された内容は、1回目と2回目の是正指導
では全く違うのに。にもかかわらず虚偽報告していたのである。

・職業安定法第44条違反の部分でも虚偽報告

2009年8月5日に、光洋熱処理が三重労働局に提出した改善報告書の中で、
職業安定法第44条違反の部分の報告は、こう書いている。

「ご指導に基づいて雇用の安定を図るべく努力・検討いたしましたが、(中略)
会社の経営状態も毎月赤字が続いており、改善の見通しが付かない状況です。
また、現在の従業員も、出勤日を75%にしてワークシェアリングを実施中で
このような状況の中で新たに人を採用することは全く出来ない状況です。」

「新たに人を雇うことは全く出来ない状況」と報告しておきながら、実際は
この改善報告を提出した約2ヶ月後の2009年10月1日付で、是正申告し
た原告らに、直接雇用の推奨がでていたのにもかかわらず、解雇されずに残っ
ていたフジワークの派遣社員を、期間工として直接雇用したのである。「新たに
人を雇えない」と言いながら、直後に直接雇用したのだから、この報告も正に
「虚偽報告」であるのは明白である。

・光洋熱処理は法律を理解し、遵守せよ

労働者派遣法・第五十条 (報告)
 厚生労働大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、厚生労働
省令で定めるところにより、労働者派遣事業を行う事業主及び当該事業主から
労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、必要な事項を報告させることがで
きる。

職業安定法・第五十条(報告及び検査)
 行政庁は、この法律を施行するために必要な限度において、厚生労働省令で
定めるところにより、職業紹介事業、労働者の募集又は労働者供給事業を行う
者に対し、必要な事項を報告させることができる。
○2  行政庁は、この法律を施行するために必要な限度において、所属の職員に、職業紹介事業、労働者の募集又は労働者供給事業を行う者の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
○3  前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
○4  第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

上記に違反した場合は、下記の通りである。

労働者派遣法・第5章 罰則
第六十一条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
四  第五十条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

第六十二条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第五十八条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

職業安定法・第5章 罰則
第六十六条  次の各号のいずれかに該当する者は、これを三十万円以下の罰金に処する。

七  第四十九条又は第五十条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

第六十七条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第六十三条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

光洋熱処理は、職業安定法第44条違反という「大罪」を犯したにもかかわら
ず、告発・送検はされていません。にもかかわらず、今回、労働委員会や裁判
の証人尋問の中で、こういった「虚偽報告」をしていた事実が明らかとなり、
あらためて「遵法精神の全くない会社」なんだと実感しました。
つい先日(9月2日)、津地裁で行われた井原順一常務取締役・管理部長の証
人尋問でも、団交申入れ当初から組合への敵対心・嫌悪感を露わにしていたこ
と、正規の抵触日の伸張手続きを行っていなかったことなど、色んなボロが、
今回、証人尋問で露呈しました。
この際、光洋熱処理は、職業安定法違反も含めて、きちんと罰せられてみては
いかがでしょうか。



最後に、光洋熱処理・地位確認請求事件は、証人尋問を終えたところで、裁判
官から和解の提案が出され、10月4日午後3時から、第1回目の和解期日が
入りました。
同日、午後1時30分、三重県労働委員会で光洋熱処理事件の最終陳述(結審)
も行われます。

引き続き、皆様のご支援・ご協力をお願い致します。


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