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国内最大規模の外国人労組誕生。三重シャープ系工場にて(JANJAN)

kage

2011/08/21 (Sun)

  インターネット新聞JANJANよりEsamanさんの記事を転載します。
http://www.janjanblog.com/archives/47828

国内最大規模の外国人労組誕生。三重シャープ系工場にて

三重県にあるシャープ系工場で、200人規模の労働組合が結成されました。
現場となったのは、液晶パネルを作成している、三重県松阪市の多気町にあるシャープの下請け会社、ミエテックの第二工場と第三工場の中で業務を請け負っている「ジーエル」で働くフィリピン人労働者による労働組合です。
同現場では300人ほどの従業員がいるとのことですが、職場の過半数を大きく超える労働組合が誕生したことになります。


ユニオンみえ・シャープピノイユニティ結成パーティで乾杯する人たち。(戦略上、組合員の多くはまだ非公然のためボカシを入れてありります)
ユニオンみえ・シャープピノイユニティ結成パーティで乾杯する人たち。(戦略上、組合員の多くはまだ非公然のためボカシを入れてありります)

 シャープ工場でのピノイユニティの結成は、マスコミ4社が報道した。会場ではフィリピン大使館からの激励メッセージも読み上げられた。まさに「おおごと」である。
シャープ工場でのピノイユニティの結成は、マスコミ4社が報道した。会場ではフィリピン大使館からの激励メッセージも読み上げられた。まさに「おおごと」である。

労働組合の名前は「ユニオンみえ・シャープピノイユニティ」
ピノイとはフィリピン人のことをさし、三重県津市に本部をおく、ユニオンみえの職場労組として結成されました。

8月18日、ジーエルで働くフィリピン人労働者達は、秘密裏に結成をすすめていた労働組合を公然化、
ピノイユニティの代表者20名とユニオンみえの役員が、報道陣を伴い会社を訪問、会社側がフィリピン人労働者に行っている不当な扱いを撤回し、団体交渉に応じる旨を申し入れました。
多数の報道陣を伴っての申し入れに、会社側担当者は「少しあわてていたようだ(組合員談)」とのことでした。

ピノイユニティの申し入れ書によると、ジーエルでは、

・一か月単位での細切れ雇用
・有給休暇が取れない、という覚書を書かされた(*1)
・社会保険に入れない、という覚書を書かされた(*2)
・会社側の用意したアパートに転居をしないとクビになるといわれた
・フィリピンに帰国する場合、退職届けにサインをさせられる
・送迎バス代を違法に天引きされている
・別の工場で働くときに支払われていた手当がなくなった

などの違法行為が野放しになっており、会社側になにか言うと、1ヶ月単位での雇用契約を利用して「契約解除」ということでクビになるので、なにも言えない状態が続いていたそうです。
有給がない、保険もない、いまででいる家を捨てて、家財道具も捨てて、会社側のアパートに引っ越さないと解雇。
そして会社の寮に住むことになり、解雇されるとすぐに家がなくなる状態になる。
こうした悪辣な手法により「大航海時代の奴隷主のように(*3)会社は我々を支配している(同組合員談)」ということでした。

現在、ピノイユニティに結集した労働者たちは、会社側に対して、
違法な覚書の撤回、一か月雇用を辞め一年雇用・期間の定めのない雇用ににするなどの雇用の安定化、会社のアパートへの転居を強制しないことなどを求めて、話し合いを要求しています。

世界に誇る日本のシャープの「製品となるものを作っている」工場で、このような無茶な「奴隷労働」が行われているとは、信じがたいことです。



ピノイユニティの結成を指導した、ユニオンみえ書記長の広岡法浄氏。
ピノイユニティの結成を指導した、ユニオンみえ書記長の広岡法浄氏。

申し入れ行動後の8月20日、シャープ・ピノイユニティの結成を記念してのパーティが松阪市内のホールで開催されました。
結成記念パーティには、弁護士や、全国各地の労働組合の幹部などが駆けつけ、激励のあいさつをするとともに、フィリピンの手作り料理がふるまわれ、大盛況となっていました。
用意されたフィリピンの手作り料理は、肉料理、焼ビーフン、春巻、ライスケーキなどで、お祝いの席ということもあってか、半分以上が肉料理になっていました。
豚肉やヤギ肉の煮込み料理、ブタの血で作った炒め物、パインで煮込んだ鶏肉などが特徴的です。
パーティに集まったフィリピン人組合員のみなさんは、檀上でスマートフォンでダウンロードした歌詞をみなながら「みなで手をつなごう」という歌を歌っていました。

EsaTube動画:
ピノイユニティ結成パーティー・ユニオンみえ 2011/08/20
http://www.youtube.com/user/esamanihi#p/u/12/QEYc4-p7Fis





ピノイユニティ結成パーティで振る舞われたフィリピン料理。すべて組合員の手作りである。

ピノイユニティ結成パーティで振る舞われたフィリピン料理。すべて組合員の手作りである。

現在、ピノイユニティ申し入れ行動に際して、20人ほどの組合員が公然化していますが、
200人ほどの組合員の多くはまだ非公然の状態にあります。(*5)
それ以外の組合員は会社側の動向をうかがい、後々の戦略を考えるために、非公然としているそうです。
結成大会は無事に終了しましたが、会社側が「組合つぶし」などの攻撃をしてくるのはこれからです。

地デジ化も無事に終了し、TVにもパソコンにも必要不可欠となった液晶モニター。
世界に誇る日本品質をした支えしているフィリピン人労働達の戦いの、今後におおきく注目をしたいと思います。


ピノイユニティ結成を伝えるマスコミ各社の記事。このほかにももう一社取り上げられた。
ピノイユニティ結成を伝えるマスコミ各社の記事。このほかにももう一社取り上げられた。

 
*1 有給休暇が取れない、という覚書を書かされた
すべての労働者は法律で規定された有給休を取得できる。
会社側は、法律で定められた日数を下限として有給休暇を設定できる(もちろん法定基準よりも多く設定することもできる)
十重全ながら、法定基準以下の内容ーを定めた覚書は無効である。

有給休暇日数
常勤者: 半年間8割以上出勤したら、10日間。以後一年ごとに1~2日加算。最大年間20日。
非常勤者(週4日勤務以下): 半年間8割以上出勤したら、7日間。(勤務3日だと5日、2日だと3日、1日だと1日)。以後勤務継続すると少しづづ増える。
パートタイム労働者であっても適用される。他の休日と連続してとっても構わない。

*2 社会保険に入れない、という覚書を書かされた
すべての労働者は一定の条件を満たせば社会保険に加入できる。
それ以下の内容ーを定めた覚書は無効である。

*3 大航海時代の奴隷主のように
対抗手段、逃亡手段などをなくし、劣悪な条件下でも辞めることをできないようにして、支配するシャープGLの姿勢を指して言っている。
大航海時代(15世紀~18世紀)に、奴隷商人たちはアフリカから奴隷を買い付けて、南北アメリカに売り飛ばしていた。
これはヨーロッパ各国が南北アメリカを侵略して現地での生産(貴金属、農産物など)に現地民を酷使したが死滅してしまい、失われた労働力の補給のために、同様に植民地としての分割が進みつつあったが、生産地ではなかったアフリカの黒人を「輸入」したことが原因。
それ以外の時代や地域の奴隷と、大航海時代の黒人奴隷とは、人種差別であること、債務奴隷(*4)ではなく人種として奴隷である点などで、異なる。
奴隷となる人は戦争の捕虜だったり、いきなり捕まった人などで、集めるのは現地の王族(つまり黒人)や奴隷商人などであった。
買い付けられた奴隷は、鎖につながれて船に詰め込まれて市場に輸送されるが、稀に船上で奴隷達が反乱を起こして船を乗っ取ることがあったが
(多くの場合、輸送している「商品」である奴隷の数に比べて乗組員は圧倒的に少なかった)
奴隷達には船の操作方法がわからず、そのまま漂流することが多かった。
(アミスタッド事件は幸運にも漂流中に発見されて裁判で自由を得たが、おおくの場合はそのまま難破船となった)
また転売された先の土地でも、自分が現在いる地域が、元の故郷とどのような位置関係にあるのかすらも、わからないことが多く、脱走などもうまくいかないことが多かった。

「奴隷労働」というと無賃金で延々と酷使されるとイメージしちだが、実際には多少は賃金が出ている場合も多かった。
奴隷とは、職業選択できず、住む場所も制限され、人権がない労働者ともいえる。
シャープGLのフィリピン人達は、労働者に認められる権利(有給・保険)の多くが剥奪され、住む場所も制限され、事実上帰国することが出来ないように働かされていたと言えるので、現代の奴隷制度という表現は、けっして大げさではない。

*4 債務奴隷
借金のカタとして奴隷になること。
多くの場合、一定の期間の定めがあり、その期間が満了する前でも、前倒しをして債務を返済できれば自由人となることができる。
古代の奴隷制度の多くはこれである。大航海時代のヨーロッパにも白人が債務として一定期間奴隷をすることは存在した。遊女の年季奉公なども債務奴隷の一種である。
ただし、債務奴隷といっても、働いていても借金が増えるシステムが組まれている場合があり、何世代にもわたって抜け出せない構造が作られている場合もある。大問題である。そして働いているのに借金が増える構造とは、最近の住み込みの仕事に顕著にみられるものである。

なお、奴隷制度は古代から世界中で行われていたが、世界的に解消された大きな原因としては、生産力が高まってしまったために、製品を売りつける市場を拡大する必要が発生。低賃金の奴隷に生産を担わせるよりも、ある程度の賃金を得る労働者に生産をさせて、生産者である労働者に消費者として生産物を売りつける、という経済構造にシフトしたためである。
決して、使用者側(奴隷主側)の人間性や人権意識が高まったからではない、ということは、シャープGLの無茶苦茶な労働条件を見ても理解できる。

*5 非公然の組合員
労働組合に加入していることを理由に、解雇などの不利益な行為を行いことは法律で禁止されている。
しかしながら、会社側は組合に加入したことがわかると、なにかにつけてその人をマークとてパワハラやイジメを行うことが多い。
「組合員であることが理由」であることが明らかな場合でも、実際に証明することは難しい。
そのような理由から、労働組合に加入したとしても、そのことを会社側に伝える必要はないと法律で保証されている。
会社側が労働者に対して「労働組合に加入しているか」という質問をすること自体が「支配的介入」という違法行為にあたる。
もちろん、それを聞かれた労働者は、実際に加入していても「加入していない」という返答をしてもよいことになっている。
そのような質問をする会社側が違法行為であり、労働者側は、自らの権利を守るために、組合員であることを隠してよい(当然隠さない自由もある)。
労働組合員は、会社側に対して組合員であることを「堂々と隠す権利」が認められている。
会社側は圧倒的な権力(解雇、業務命令、業務時間中に裁判や対抗処置をする)をもっており、労働者側の不利な立場を考えると「卑怯な行為」ではないと法律で完全に保証されている。

関連リンク:
ユニオンみえ(三重一般労働組合)
http://homepage3.nifty.com/union-mie/
ユニオンみえ・ブログ(秘密行動のため、ピノイユニティ結成は日程に掲載されていない)
http://unionmie.blog.fc2.com/

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