2017 05 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. »  2017 07

車にも経済にも「遊び」は必要

kage

2010/08/11 (Wed)

(ユニオンみえ機関紙「DonDon」37号から)

「遊び」や「無駄」がなくなると
どうなるか。
たとえば車のハンドル、
「遊び」があるから
スムーズにハンドルが切れる。
「遊び」がなくなると切れすぎて
危なくてしょうがない。
人間の神経などは
もっとはっきりしている。
「遊び」をなくしたら確実に壊れる。
この「遊び」とは
一見無駄な事柄が
実際には必要不可欠なものということだ。
「無駄」が「必要」とは矛盾なのだが、
世界は矛盾に満ちていて、
矛盾が発展の原動力なのだ。

さて、
この「遊び」や「無駄」を排除することを
徹底しようとしたのが
トヨタのジャスト・イン・タイムであり、
1995年に当時の日経連が打ち出した
新時代の日本的経営である。
確かにトヨタは
このジャスト・イン・タイム方式のおかげで
業績をあげ、
車の売り上げ世界ナンバーワンを達成し、
世界のトヨタにのし上がったのは
事実である。
シェアー世界一に登りつめて
有頂天になっていた。
欠陥を指摘されて
「気のせいだ」と
指摘を無視し続けるほどに。
自信のなせる業というべきか。
今このトヨタが
次々にリコールに追い込まれている。
トヨタが
無駄を排除することを至上目的に
車を生産してきたその「つけ」が
廻ってきたのだ。
成長を支えたトヨタの生産方式が
今度はトヨタを逆襲しているのだ。

この期に及んでトヨタは
下請けに更なる部品単価の切り下げを
強制している。

先日、
闘争中のとある会社を訪問した。
トヨタの下請け部品会社だ。
この会社はトヨタから
さらなる部品納入単価の切り下げと
海外での生産を迫られている。
他の会社も同様だ。
この会社はさらにその下請けに対し、
これまでの半分の単価で
仕事をさせているという。
いくら厳重なチェック体制を作ったところで、
こんな単価切り下げを進める限り、
欠陥部品を排除しきれるものではない。

単価切り下げ・無駄の徹底排除を
行ってきた結果、
欠陥車を量産しているのだ。
トヨタはこのことを総括しない限り、
さらなる欠陥が見つかり、
これがトヨタの命取りになるだろう。

同じことが日本経済にも言える。
日本の経済を牽引してきた「トヨタ」が
今や、
日本の経済を破滅に導く
元凶となっていることを訴えたい。
日本経済の劣化が止らない。

これも先日のことだが、
浜松に本社のあるとある派遣会社と
交渉した。
もちろん、
ユニオンみえの団交室をかねた会議室で。
交渉終了後、
会社の担当者が
「きちんと再契約して
賃下げに同意してもらっているのに
どうして問題になるのか。
問題が起こらないようにする方法を
教えて欲しい。」と言ってきた。
「労働者は賃下げの契約書に
サインしないと更新して貰えないから
止む無くサインしたまでで、
納得していない以上問題になる。」
と返事したのだが、
この会社に限らず、
有期契約で働いている労働者の賃下げが
止らない。
トヨタが行っていることが
労働者の賃下げという形で
全国に波及しているのだ。

日本経済の最大の問題は
デフレなのである。
多くの識者も
このことを訴えているのだが
政府や日銀に危機意識がない。
民主党菅代表
このたびの参議院選挙に際し、
消費税の増税を打ち出した。
日本をギリシャのようにしないためには
消費税の増税が必要不可欠なのだという。
選挙で民主党が負けたこと自体は
良かったと思うが、
日本経済のことを考えると、
消費税の増税を打ち出したことは
いただけない。
それでなくとも、
デフレがすすんでいるのに、
ますます財布の紐が締り、
デフレがすすむ。
先日、
トロントでサミットが開かれ、
主要国は2013年までに
毎年の財政赤字を半減し、
2016年までに
政府債務残高の国内総生産(GDP)比を
安定ないし減少させるという首脳宣言が
出されたが、
この「主要国」に日本は入っていない。
日本は国債の9割が
国内で保有されている
世界最大の純資産国であり
ギリシャとは訳が違うということと、
デフレが問題だということで
「主要国」からはずされたのだ。
最大の財政赤字を抱える国、
日本が財政赤字半減対象「主要国」から
はずされているのだ。
さほどに日本のデフレが問題なのだ。

トヨタとの関係に話を戻すが、
デフレの脱却は
主要には日銀がその役割を担うことが
不可欠であるが、
トヨタがデフレを加速していることを
認識しておくことも必要だ。
トヨタが下請け単価を下げれば
ホンダも下げる、
さらに他のメーカーも追随する。
下請けも右にならえ。
次から次に波及し、
企業は労働者の賃金を下げという具合に
労働者の賃金が下がっていく。

1995年に日経連から出された
新時代の日本的経営も
デフレを加速している。
個々の企業が
労働者に賃金を払うことを無駄と考え、
無駄を無くす、
すなわち正社員を雇わなくすれば
どうなるか。
これまでお金を使っていた労働者、
とりわけ若者には金がないので
使えない。
内需は落ち込む。
金持ちは投資する先がない。
企業は国内での投資を控える。
デフレスパイラルに陥るのは
明らかである。
日経連の新時代の日本的経営は
ハンドルから遊びを取ったのと同じで、
日本経済を壊してしまった。
ハンドルには「遊び」が必要で
日本経済には「正社員」が必要なのだ。
無くせば良いというものではないのだ。

菅政権は今からでも遅くはない。
デフレ克服を最重点政策に掲げて、
超党派で取り組むことだ。
雇用の原則は正社員とし、
賃下げ、有期雇用、派遣を
原則禁止にして
違反者には重罰を科すこと。
最低賃金を
即刻1000円に引き上げること。
下請け単価切り下げを
独禁法並みに取り締まることだ。

菅さん、
変わり身が早いことには
良いこともあるよ。



関連記事
スポンサーサイト

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック