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東京地裁:オンセンドの不当労働行為を認定

kage

2008/10/09 (Thu)

――脱退圧力、団交拒否は不当労働行為――

■「セクハラ」告発従業員を雇い止め
岐阜県美濃市に本社を置く
衣料品小売のオンセンド(代表取締役:森弘治)が、
労働組合に加入したパート従業員に
組合を離脱するよう圧力をかけ、
その後 雇い止めした上 労組との団体交渉を拒絶した問題で、
東京地裁は8日、
脱退圧力と団交拒否を不当労働行為と認めた
中央労働委員会の命令を維持するする決定を言い渡した。

三重県にある
オンセンド四日市店のパート従業員であったHさんは
2003年、
当時の四日市店店長からセクハラを受けた旨を
本社部長に申し出た。
すると、
逆にHさんの異性関係に関する噂が
職場に流されるなどしたため、
5月、
三重県の個人加盟制労働組合ユニオンみえに加入した。
ユニオンみえは同年6月16日、
くだんのセクハラ問題やパート労働者の低賃金待遇・
有給休暇の取得や残業割増の未払いなどの事項に関し、
オンセンドに団体交渉を申し入れた。

ところがオンセンドの本社部長は、
翌6月17日、
勤務時間中に職場近くの喫茶店にHさんを呼び出し、
賃金については
「最低基準はクリアしているから,
 不当なんて言われることはない」と居直った上、
「この会社の給料で納得がいかないのなら,
 他で働けばいい」とか、
ユニオンみえの通告書を指さして、
「ここ(筆者注:ユニオンみえ)で働けばいいじゃない。
 ここで働いて
 給料は出ないでしょ」などと、
職場の労働条件の向上を求めるHさんや労組の
ごく当然の要求に対して
とことん筋違いなことを言い立てた。
そして、
「よってたかって大勢で
 ワァワァ行ってくる奴等と,
 話なんてする気はない」と言い放ち、
ユニオンみえからの通告書を
テーブルの上に投げ出したのである。

また、
四日市店長の「セクハラ」に関しても、
「セクハラのことで
 大の男が頭を下げて,
 首を覚悟で始末書を書いた」などと発言。
さらにHさんが店長による査定で
高い評価を得ていたことを挙げて、
「あなたは,
 周りの人に感謝の気持ちを忘れている。
 ……あなたは感謝の気持ちを忘れちゃダメだよ」
などと恩着せがましく説教をはじめ、
あたかもセクハラを訴え出た労働者の側が
「感謝の気持ち」に欠けているかのような
無神経な発言を繰り返し、
会社を巻き込んだり,
会社を甘く見ないようにという趣旨の発言を
行なった。

しかし、
本社部長の不当労働行為は
これだけでは終わらなかった。
翌18日にも本社部長は
オンセンド四日市店で勤務中のHさんに電話をかけ、
「昨日あれだけ話をしたのに,
 何故分からないんだ,
 ご両親,旦那さんを交えて話をしよう」などと言いだした。
上司からの「セクハラ」を訴え出たことに端を発する労使対立に
家族まで巻き込むことを示唆して、
ユニオンみえから離脱するよう精神的圧力を加える
きわめて陰険なやり方だ。
「組合と話をして下さい」と答えたHさんに、
本社部長はさらに追い打ちをかけるように、
「組合,組合って…
 あなたはこの会社の人間でしょう,
 直接話もできないんですか」などと言い出したのだ。

オンセンドの対応には、
労働者の団結権に関する基本的な理解が
根本的に欠如している。
そもそも、
経済的にも社会的にも圧倒的な劣位に置かれている
一介のパート従業員が、
巨大な会社組織に対して「直接話」をして
自らの労働条件を対等な立場で交渉することなど
どだい無理な話なのである。
立場の弱い非正規労働者が自らの雇用をまもり、
使用者側と対等な交渉を行なうためには、
労働者自身が使用者側と対抗できる力量を
職場の内外で確立すること、
すなわち、
団結権・団体交渉権・団体行動権を持つ労働組合を組織し、
職場内外の仲間とともに使用者側と対峙し、
相手と対等な交渉力を築いた上で
成果を勝ち取る以外にはない。
だからこそ、組織労働者の労働条件は
会社と労組の交渉で決めねばならず、
個人との個別取引は許されないのだ。
Hさんが
そうした問題については労働組合と話をしてほしいと言ったのは
実に当然の対応である。
むしろ、
「よってたかって大勢で
 ワァワァ行ってくる奴等と,
 話なんてする気はない」などという本社部長の発言こそ、
きわめて破廉恥な不当労働行為に他ならない。

こうしてHさんは2004年2月20日、
オンセンドを雇い止めされてしまったのである。

当然ユニオンみえはこれについて、
3月5日、
不当労働行為に対する謝罪や解雇の撤回などを求め、
オンセンドに団体交渉の申し入れを行なった。
するとオンセンドは、
Hさんが2月20日付で
従業員の身分を失っているなどと称して、
団体交渉の開催を拒絶してきたのである。

自分たちが勝手にクビにしておいて、
「だから団体交渉には応じない」とはひどい理屈だ。

東京地裁の判決は
こうしたオンセンドの団体交渉拒絶について、
次のように明確に断罪した。

労働者が自らの雇用契約上の地位を争い,
その所属する労働組合が
使用者に団体交渉による解決を求めたときは,
合理的期間内に
団体交渉の申入れがされているのであれば,
当該労働者を
労働組合法7条2項の「雇用する労働者」に
該当するものとして扱い,
当該労働組合が団体交渉の当事者になるというのが
相当である。
……Hが既に契約期間を満了して
従業員としての地位を失ったことは,
団体交渉の申入れを拒否する正当理由とは
なり得ない。


オンセンドはHさんに加えた
陰湿な暴言の数々について謝罪せよ!
直ちにユニオンみえとの団体交渉に応じ、
Hさんへの雇い止めを撤回せよ!


【関連記事】
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オンセンド、不当労認定の命令が最高裁で確定
オンセンド、謝罪から半月でまたも居直り


労働組合:ユニオンみえ(三重一般労働組合)
三重県の個人加盟制労働組合。
「連合」構成単産・全国ユニオン加盟。
コミュニティユニオン東海ネットワーク、
コミュニティユニオン全国ネットワーク加盟。
1958年結成。
住所:〒514-0003
     三重県津市桜橋3丁目444
電話番号:059−225−4088
FAX:059−225−4402
ホームページ:『ユニオン みえ』
http://homepage3.nifty.com/union-mie/
電子メール:QYY02435@nifty.ne.jp
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