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過積載:トラック運転手が悪いのか

kage

2010/02/25 (Thu)

 三重県の個人加盟制労働組合・ユニオンみえ(「連合」構成産別・全国ユニオン加盟)は2月22日、三重県のイオン物流センター周辺で、「過積載」問題や残業代・有給休暇不支給の問題などを訴えるビラまき行動を行なった。この行動の意義や物流業界における構造的な問題点などを、同労組書記長の広岡法浄さんにうかがった。

Q.まず、なぜイオンの物流センター周辺でこうした行動を行なったんでしょうか。
A.三重県は、イオングループのシェアがスーパーの7割以上あるんじゃないかというイオン王国です。今、外務大臣をやっている岡田克也もイオンの会長の息子ですね。

Q.そこで労働問題が起きたわけですか。
A.三重県の物流を一手に引き受けているのが、日本トランスシティという会社です。私たちがビラまきを行なったイオン物流センターも日本トランスシティが運営しています。ところが、その現場で実際に物流を担っているのは日本トランスシティではなく、関連会社や資本関係のない地場の運送業者がほとんどなんですね。そこで働く運転手たちは、非常に過酷な労働条件で働いています。

Q.ユニオンみえがイオン物流センターでの問題に取り組むようになったきっかけは?
A.去年の12月、下請の運送業者で働いている労働者に解雇の通告がありました。いま、その労働者の解雇の撤回と合わせて、有給休暇の賃金を払うように、未払い残業代を払うようにと要求をしています。

Q.労働者からの反響はどうですか?
A.大きな反響がありました。彼らは有給休暇も与えられず、残業手当も正当に支給されず、長時間労働と低賃金の労働を強いられています。多くの会社では有給休暇がないと言われており、闘争の中で有給休暇を払わせたと書いただけで皆おどろいています。その会社の社長は「払っていない」とウソまでついて火消しに躍起になっています。そして、私たちが一番大きな問題と考えているのは過積載です。ここの運転手は運行にあたって、どれだけの重量の荷物を積んでいるのかも知らされないで走らされているのです。

Q.いわゆる「過積載」は今、社会的にも問題になっていますね。
A.イオンの物流センターでは、特に夏場になると、ジュースなどの「かさは小さいけど重量はかなりある荷物」を配送することになります。このような荷物を積み込みすぎて、法律で定められている重量をオーバーする状態でトラックが道路を走るのが「過積載」です。

Q.過積載の状態でトラックを運転すると、どういうことになるのですか。
A.何より交通事故の原因になりますし、道路を傷めます。その荷物を積んで走った運転手が、道路交通法違反でつかまり、取り調べを受けることになるのです。点数を引かれて反則金を払わなければなりません。おかしいのは、これら全ての責任が運転手個人に降りかかってくるということなのです。

Q.そのような状態で荷物を運ばせた荷主の責任は問われないのですか。
A.「運転者に対して過積載をして車両を運転することを要求」したり、「過積載であることを知りながら運転手に引き渡し」たりした場合は、荷主にも「是正命令」が出ることにはなっています。けれど実態は、日本トランスシティ側は荷物の具体的な重量を運転手に知らせないまま荷物を積み込ませているのです。トランスシティは過積載になる可能性を知っているからこそ、重量を量らないことで、少ない台数で配送させて利益を確保していると考えられます。運転手は「過積載ではないか」と思っても具体的な重量は知らされず、異議も主張できないままトランスシティの担当者の言いなりで荷物を積み込み、近隣のイオン系スーパーに荷物を運んでいるのです。もちろんこうした状態で捕まれば運転手の責任になってしまうのですが、過積載で荷物を運ばせた荷主は責任を逃れてしまうのです。

Q.どのようにしてゆけばいいのでしょうか。
A.ユニオンみえは過積載を構造的な問題ととらえ、荷主が運転手に重量をきちんと通知するシステムの構築と、出発前にスケールで重量チェックを行なうことを求めています。これについて話し合いを求めたのですが、イオンは問題については「検討をする」としながらも、話し合いの場には出席できないと返答してきました。日本トランスシティに至っては、「平素からコンプライアンスの徹底をお願いしている」というだけで、下請会社に全ての責任を転化しようとするありさまです。問題を解決しようという姿勢には立っていないと言わざるをえません。

Q.過積載問題の責任はどこにあるとお考えですか。
A.この問題は第一義的には日本トランスシティの問題です。荷主は日本トランスシティであるからです。一方、イオンも無関係ということにはなりません。委託した運送会社が法律を守って業務を行なうようにすることはトップメーカーとして当然の責任です。いくら中国に木を植えて環境問題に貢献するイメージを振りまいたところで、自社の荷物が法律違反の状態で運ばれ、道路を傷め、交通事故の原因をつくりだしていたのではイメージダウンは避けられません。

Q.最後に一言。
A.イオンや日本トランスシティは、組合との話し合いに応じて事実関係を共有し、その上に立って、問題解決をはかるべきです。ユニオンみえは労働者の労働条件の改善のみならず、日本の企業が法律を守った営業を行なうように、また環境にとってマイナスになるような営業活動を行なわないように、今後も運動をすすめていきたいと思っています。

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