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カテゴリ:事例報告 の記事リスト(エントリー順)

「労働者ではない」・・・悪質な土木会社、近日、労働委員会で証人尋問。

kage

2017/01/20 (Fri)


「労働者ではない」
悪質な土木会社、近日、労働委員会で証人尋問
――― 上辻土木 ―――


 津市久居にある土木会社、上辻土木。解体・左官業として働いていた2名の組合員が、「仕事が無いので休んでいてほしい。」と言われ続け、会社から一向にこの先のことに関しての説明が無く、辞めさせるための常套手段なため、不安になり、ユニオンみえに相談・加入した。

 2015年7月、組合から通告し団体交渉を申し入れると、会社は「労働者ではない」として団交を拒否し続けた。組合は、団交に応じる様、会社の前で街宣行動を展開したが、会社は頑なに応じようとはしなかった。また、会社は組合員2名に津地裁と同・伊賀支部に各々、地位・債務不存在確認訴訟を起こしてきた。組合は、本人訴訟で対抗するとして、さらに会社の団交拒否に対し、三重県労働委員会に不当労働行為救済申立を行った。
 また、監督署に未払賃金を申告したところ、会社は、是正指導に従い未払賃金を払ってきた。このことについて、会社は労働委員会で「監督署からの指導が入ったので、労働者と認めたわけではなく、やむを得ず支払った。」と、苦しい言い訳をしている。

 裁判は各々の組合員が対応し、一人は無事に勝利的内容で和解となった。もう一人は証人尋問を終え、和解協議に突入している。裁判の証人尋問は本人が尋問し、会社の社長を追い詰め、見ごたえのある展開となった。会社はこの間、2名の組合員は労働者ではなく請負だという主張を繰り返しているが、現に1名には会社の労災を使っており、2名に対し業務管理も指揮命令もすべて会社が行っている。さらに、会社のネーム入りの制服も支給し、会社の忘年会や慰安旅行にも会社が費用を全額負担していたこと等から、「請負」だという主張を押し通すことにはかなり無理がある。

 これまで委員調査が続いていた労働委員会では、証人尋問が予定されており、1月23日(月)9時より行われる。この日は組合の統一行動日にも設定されているため、多くの仲間のみなさんの応援を、よろしくお願いします!集合は本部に8時半。


 

 <Don2 62号より>


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愛知県大府市 松尾製作所に 非正規外国人労働者のグループ結成される。

kage

2017/01/17 (Tue)


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 トヨタの二次下請け松尾製作所は大府本社工場に加え、豊明・名古屋・知多・阿久比工場が有り、約300人の外国人労働者が有期契約や派遣などの雇用形態で働いています。

松尾


 会社は昨年8月、有期契約で働いている外国人労働者の労働条件を一方的に切り下げてきました。契約書にサインしないと働けなくなるため、納得できないままサインするしかありませんでした。これまで、夜勤に従事する労働者に夜勤の時間帯のすべてにつき、5割増の賃金を払っていましたが、これを労基法レベルに切り下げてきました。一ヶ月でおよそ5万円の賃下げでした。
会社の対応に納得できないブラジル人労働者が会社に抗議しましたが、聞く耳を持たなかったことから、5人の労働者がまず、ユニオンみえに加入。さらに、仲間を増やす運動を始めました。こうした動きを察知してか、会社は1夜勤に対し1000円の特別手当を支払うなどの懐柔策をとってきましたが、それでも約3万円の賃下げになっています。

 組合は名古屋ふれあいユニオンと共同で組合の説明会を開催し、組合員を増やしていきました。そして、10月16日にユニオンみえ・MWG(マツオ・ワーカーズ・グループ)を結成し5人のリーダを選び、10月25日の昼休みには会社を訪問し、組合結成通告を行ないました。同時に、会社に「現段階では誰が組合員かを明らかにしない。会社が労働者に組合加入の確認をすることは不当労働行為になるので、行わないように。」と申し入れました。対応した人事部の2人は唖然とし、組合が用意したポルトガル語版と英語版のビラを撒くことを認めさせ、同席していたMWGのリーダーがその足で食堂に行ってビラを配りました。

 第1回団交は11月2日夜、大府市勤労文化会館で開催され、会社は常務、総務部長らに加え、弁護士が3人出席し、まず組合の主張を聞きたいと言ってきました。要求は、賃下げを撤回し、従来通りの計算で賃金を払うか、夜勤1回につき2000円の手当支給と時給を100円引き上げること、有期雇用労働者が不当に差別されていることを改め、労働契約法20条に基づき食事手当・通勤手当・家族手当などの諸手当の正社員との差別をなくすこと、すべての外国人労働者に対し、同じ人間として誠実に接すること、男女別賃金になっていることを是正し女性労働者の賃金を引き上げること、有給休暇取得に最高5日とする制限を加えないこと、監視カメラを撤去すること、就業規則を組合に提出すること、就業規則をまずはポルトガル語に翻訳すること、などでした。

 2回目の団交は11月28日に開催されましたが、会社は契約社員の就業規則を提示してきたものの、正社員の就業規則の提示を拒否、掲示板について社員労組同様、会社の掲示板に許可を取っての掲示を認めるとしただけで、成りたての弁護士が組合の要求をことごとく認めない回答を事務的に行うだけの不誠実な対応を続けました。

 3回目の団交は12月23日に開催され、名古屋ふれあいユニオンに加え、静岡ふれあいユニオンの仲間も大勢加わり、会社の不誠実な対応を厳しく追及しました。3日前に政府が非正規労働者への不合理な差別をなくし、同一労働同一賃金を実現させるための初の指針案を出し、新聞やテレビで報じられた直後とあって、会社も少しは態度を改め、正社員の就業規則を出してきました。組合は会社に対し、この場で、通勤手当・食事手当・慶弔休暇での差別の解消を認めるよう求めました。出席した会社側のメンバーは決定権がないことを認め、次回団交での具体的回答を約束しました。

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 最後に、MWGリーダーは、常務に対して「皆が一生懸命働いているのに、年間30万円も賃金カットして、喜んでいると思いますか、常務は皆が頑張っていることに、感謝してる、感謝してると言っていますが、皆の生活を困らせておいて、感謝していると言うだけでいいですか。それは違うと思います。「感謝」だけでは生活できない。分かりますか?」とアピールしました。正社員の賃下げもボーナスの引き下げもなかったことも確認されました。会社はリーダーの言葉に神妙に頷いていました。
 次回の団交で松尾製作所は皆の生活を守るためにどんな提案が出すか、期待しています。




<Don2 62号より>

組合が交渉し、一時帰国を認めさせる

kage

2016/10/25 (Tue)


組合が交渉し、一時帰国を認めさせる
― N化学 ―


 フィリピン人のIさんは2013年11月ごろ、三重郡菰野町にある自動車部品加工のN化学に入社して、まじめに頑張ってきた。時給900円で社会保険と有給、自動更新条項のある契約書にサインをして働きはじめ、ほとんど休まずに毎日残業もやってきたが、体調不良により2日間の有給を申請して休んだところ、会社から警告書が出され、サインするよう強要してきた。
 
 さらに、7月上旬から77才の母親の糖尿病が悪化し、介護が必要な状態になったため、残りの有給を消化し、母親の介護に専念するために帰国することを決心し、すでに航空券も購入していました。会社にその緊急実態を報告して、フィリピンに帰国する必要性を説明してから、有給の申請をしたにもかかわらず、会社は認めず、さらに、有給申請をすると、ふたたび警告書にサインを求められ、そして、「許可なしに帰国した場合3回目の警告書を出して、解雇する。」と、本人に伝えてきた。

 本人は、会社の対応について同僚に相談したところ、ユニオンみえを紹介され、相談・加入した。
 
 あまり時間が無かったことから、組合は会社に対し、「母親の介護ができるように、有給残日数を全て取得し、さらに介護休暇の取得を申請する。」という内容の文書を提出し、団交を申し入れた。会社は、翌日「有給休暇残日数12日分の取得申請書、介護休暇申請書にて提出してください。」と回答、フィリピンへの帰国を認めた。組合員は無事、帰国した後日本に戻り、仕事に復帰して、現在も働いている。

 会社に対し一人で交渉する場合、対等な立場ではなく、不利になるケースが多い。憲法で保障されている労働組合が交渉することは、労働者にとって大きな力になる。Iさんも、一人ではなく、多くの仲間に支えられたことから、精神的に楽になり、仕事に無事復帰でき、とても感謝している。         

<Don2 61号より>




非情なマタハラ、派遣先への行動で和解

kage

2016/10/25 (Tue)


非情なマタハラ、派遣先への行動で和解
― F社 ―


 静岡県の派遣会社F社から大会社Pの四日市工場に派遣され、2013年4月から勤務してきたKさん。2014年6月に妊娠した事をF社に告げると、F社は、7月に8月21日付け解雇を通告してきた。組合は、不当な解雇であり、整理解雇の4要件も満たしていないことから、認められないとして団交を申し入れた。

 これに対しては、会社は団交に応じ、解雇通告を撤回の上で誠実に対応していくことを約束したにもかかわらず、育休明けの職場復帰のための話し合いをするための団交に対しては拒否し、就労も認めないという不誠実な対応を行ってきた。組合は、団交の開催を求め続け、解決案を出したが、会社はKさんが組合員であることの証明や、Kさんの子供の保育園への入所証明などの提出を要求し、解決の引き伸ばしを図り、不誠実な対応を続けた。

 途中、静岡の弁護士が代理人として対応をしてきたので、組合は、代理人に対し団交拒否を続ければ労働委員会に救済申立を行うことを通告。また、会社が組合を通さず本人に直接F社(静岡)に異動するよう話があり、幼い子を2人抱えているK組合員に対しての無謀ともいえる会社の対応にも抗議した。

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 さらに組合は、ストライキを行い、就労先のP社四日市工場の門前でF社の悪質な実態を訴え、Kさんが安心してP社四日市工場で働き続けることができるよう、アピールした。その行動が功を奏し、会社都合の合意退職、出産育児に関する手続きへの協力、相当の解決金支払いでの解決となった。


 妊娠を理由とする解雇や、会社からの不利益扱い問題は、依然として多い。ユニオンは、これからも、労働者の権利を守るための運動を続けていく。


<Don2 61号より>




~ 最近のユニオンのたたかいから ~  派遣会社M

kage

2016/05/09 (Mon)

 SPU の 仮処分勝利決定 が、地域に波及

 愛知県豊橋市の派遣会社Mから伊賀市の派遣先工場に派遣されていたD組合員。派遣先工場から派遣労働者を4人減らす提案をしてきた。派遣会社Mは「雇い止め」によって4人の労働者を指名解雇してきた。Dさんがその4名のうちに入っていた。

 Dさんは一方的な雇い止めに納得がいかず、ユニオンに相談してきた。派遣会社Mは3月初め、Dさんに「退職勧奨通告書」なるものを示して自分から退職するよう誘導してきた。Dさんは拒否した。

 3月末、ユニオンは派遣会社Mと団体交渉を持った。ちょうど3月19日シャープピノイユニティの仮処分決定の組合側勝利の報道が中日新聞の社会面で報じられており、会社側はそれを読んでいた。仮処分決定は、長期にわたって雇用契約を繰り返ししている派遣労働者は雇用の期待権があるので、雇用契約期間がきたからといって、容易に「雇い止め」をすることはできないと述べている。

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 会社は、一方的な「雇い止め」はできないことを学習してきた。その上、過去の契約延長に際しても、きちんと書類を整えておらず、契約書が期間毎に整備されていないミスも明らかになった。組合は団交で引き続きの雇用を求めた。会社は現在の派遣先での就労はできないが検討することを約束した。
 
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 後日、会社は金銭解決を求めて、一定額を提示してきた。組合との間で、まだ合意に至ってないが交渉を続けていくことになった。SPU(シャープピノイユニティ)のたたかいの成果が地域の他の労働者の条件改善に波及効果をもたらしている。一つ一つのたたかいが全体の力になっていくことを実感させられた事例だ。




<Don2 59号より>



~ 最近のユニオンのたたかいから ~  菊池鉄工所・梅田工業

kage

2016/05/09 (Mon)


 無資格者にクレーン操作させ事故、ブラック企業に制裁

 2009年5月29日、ボリビア人労働者Sさんは滋賀県土山市にある菊池鉄工所滋賀工場で鉄骨をクレーンでつりあげて移動させていたところ、鉄骨が落下、左足を複雑骨折した。Sさんにはクレーン操作の資格はなく、安全教育もされていなかった。菊池鉄工所の工場では他の労働者も含めて無資格者がクレーン操作をするのが日常になっていた。
 Sさんは梅田工業に雇われて菊池鉄工所の仕事をしていたが、クレーンは菊池鉄工所のものであり偽装請負であった。

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 Sさんは労災で治療を受けたが、左足がふくれあがり、杖をついてしか歩けない障害が残った。障害の等級は7級となった。菊池鉄工所の本社が大阪の堺にあったとことから、Sさんはユニオンみえと相談した上で大阪地裁堺支部に5196万円の損害賠償請求裁判を起こした。
 会社は裁判の中で安全配慮義務を認めないばかりでなく、事故はSさんが勝手にクレーンを操作したことによって発生したと開き直った。証人尋問で元同僚から、他の作業者もクレーンを無資格で操作されていたという証言も受け、会社のウソが明白となった。
 
 本年3月1日、裁判所は強い調子で会社側に和解を迫った。結局、菊地鉄工所と梅田工業の両社が「連帯して1550万円を支払う。」ということで和解が成立した。

 会社は実際は無資格者であってもクレーン操作など危険な仕事をやらせてきた。事故が起こって責任を問われると労働者の責任に転嫁し、当該労働者の過失にして逃げようとする。たたかわなければ労働者はやられっぱなしになってしまう。

 先日ユニオンみえの公開講座で、東京東部労組の須田書記長からワタミ裁判の報告をして頂いた。ブラック企業は自分の不正を労働者のせいにして、労働者に犠牲を押し付けて平気で逃げようとする。たたかうことで不正をあばきだして、ブラック企業が責任逃れをすることができないよう取り組みを強めていかなければならない。



<Don2 59号より>